今、ベネズエラの国民が日用品を買うためにスーパーで大行列を作っている理由はご存知ですか?
それは2016年1月15日にベネズエラ大統領が経済破綻の可能性を示唆したためなのですね。正確に言うと「2ヶ月限定の経済緊急事態」を発令したのです。
自分の国に破綻の可能性が出るとなると通貨が暴落して輸入品などの価格が暴騰しますから、市場から品物が消え去るのが一般的です。
その動きを察知したベネズエラ国民が買いだめをするためにスーパーマーケットに行列を作っていたのですね。当然、「ベネズエラボリバル」という通貨をドルに変えるための行列もできているはずですよ。(闇レートですけど。)
ベネズエラの通貨とアメリカドルのレートは?
ベネズエラは輸出の約90%が石油という偏った構造になっているのですが、原油価格の暴落によってドルとの固定相場制を維持するのが困難になってきています。
しかし、変動相場への移行も検討されているようですがまだ固定相場のままのようですけども・・・いずれはベネズエラボリバルは切り下げせざるを得ない状態に陥る可能性が高いですね。
自国通貨を切り下げれば輸入品の価格は高騰しますが、今までのインフレ率が60%ですので・・・これ以上インフレが進むようだと国民生活が打撃を受けるのは確実です。
しかしですよ、ベネズエラボリバルの公式レートは1ドル6.3ボリバルのはずなのですが・・・裏の闇レートでは1ドル170ボリバル以上になっているのですから経済危機は最終局面になっていると判断して良いのではないでしょうか?
ベネズエラのインフレ率と破綻の可能性
原油価格の大幅下落が原因でベネズエラの収入も激減しているのですが、当然、外貨もほとんど残っていない状況に陥っているものと思われます。
しかも現在のインフレ率は公式発表で約110%、実質インフレ率は200%近くになっていますので食料や日用品などの生活必需品が不足し盗難や略奪が頻発しているそうです。
当然、スーパーマーケットにも商品は並んでいないのですが・・・その裏では店員による横流しや物々交換などが行われているのです。
このまま原油価格が低迷したならばベネズエラが破綻する可能性は100%になるでしょうね。
それどころか、サウジアラビアもイランもシェアを確保するためにさらに増産体制を強化していますので・・・さらに石油価格が下がることが予想されているのです。
こうなれば破綻するのは間違いないわけで、問題は破産寸前のベネズエラの経済がいつまで持つのかということになるわけです。
ベネズエラが破綻寸前になった現状
現在のベネズエラでは金持ちの家に強盗が入るのは当たり前で、かなりの国民がポルトガルなどに逃げ出しているとのこと。
実際に経済が破綻してしまえばどのような事態に陥るか予想がつかないですから富裕層は真っ先に逃げ出してしまっているのです。
さて原油価格の回復が見込めない現在ではベネズエラが頼る国は中国なのですが、中国はかなりの額を融資したものと思われます。また中国はアルゼンチンにも多額の融資をしているのですが・・・
さらに石油の値段が下がってベネズエラがデフォルトに陥れば中国にも甚大な被害が及ぶことになるのです。
原油値下がりの影響はリーマン・ショック級!
今から9年ほど前にリーマン・ショックが起きてアメリカ経済は大打撃を受けたのですが、今回の原油価格の大幅下落はリーマン・ショック並の経済危機を引き起こしそうな様相となってきました。
資源価格の下落も重なり、中国の経済危機も深刻化・・・2016年は本当にヤバイ年になりそうな予感がします。
特に中国はアフリカや中東や中南米に多額の融資をしていますので、世界的な経済危機が起きればこれらの債権は回収不能となってしまいます。
ただでさえ経済が急激に減速している中国ですから、まさしく「弱り目に祟り目」といった感じになってしまうでしょうね。
このままいけばベネズエラどころか中国が経済危機になる可能性を心配しなくてはいけなくなるかもしれませんね。ただでさえ外貨の準備額は嘘で適当な数字ですので長くは持たないと思いますよ。
今回のショックの名前は「中国ショック」となるのでしょうか?
ベネズエラの経済危機と破綻まとめ
今回の記事では「ベネズエラに破綻の可能性!原油価格下落による経済危機で破産するのはいつ?」と題してお送りしましたが、今のところはテレビのニュースなどでも取り上げられていないようです。
日本のテレビ局はCoCo壱番屋の横流し事件やスキーバスの事故ばかりを報道していますが、もっと重要な報道に時間を割くつもりはないのでしょうか?
確かに食の安全も大切ですし、規制緩和によってバスの運転手が過酷な労働環境の中で事故を起こすのも問題ですが・・・一国の経済危機や破綻の可能性の方が日本にとって重要だと思うのですけどね。
しかし忘れてはいけないのが、原油価格の大幅な下落によって一番得をする国は「日本」だということです。
去年の原油安によって日本が受けた利益は約8兆円ですので、現在の株価は下落中ですが石油の値段が安いという恩恵があまりにも大きいことに市場が気がついたならば・・・反転する可能性がすごく高いと思われます。
ガソリンの値段が下がっているのが原油価格暴落を一番実感しやすいですよね。ただでさえ車の燃費が上がっているのですから、無駄な出費をしなくて良いのは大きなメリットとなるのです!
ちなみにベネズエラがいつ破産するのかは・・・実際に破綻するまでわからないです。