2016年に入ってから為替も株も大きく変動していますが、これだけの暴落を説明するには石油価格の下落や中国経済の不調だけでは何か足りない気がしていました。
しかしここにきてドイツ銀行が利払いができずに破綻するのではないかという噂が出てきたのです。ドイツ銀行が破綻するとなるとリーマン・ショック以上の金融危機が引き起こされる可能性がありますので、今後のために少し調べてみることにしました。
ギリシャショックなど比較にもならないほどの衝撃があるとは思いますが、何故か日本のテレビやネットはドイツ銀行の危機に関しては一切報道していません。
有名な投資家たちも声を揃えて「2016年はリーマン・ショック以上の金融危機や世界恐慌が起きる可能性が高い」と言い出しています。金融資産をお持ちの人は用心する必要がある年なのかもしれないですね。
ドイツ銀行破綻の噂の出処は?
ユーロ圏で一番の経済優等生がドイツですが、今のところはドイツがきっかけで世界的な金融危機が起こるなんて誰も考えてはいませんでした。
しかし経済的に潤っているハズのドイツの最大の銀行「ドイツ銀行(deutsche bank)」が利払いできずに破綻(デフォルト)する危機が迫っているという噂が流れてきているのです。
このような噂自体は昨年2015年の秋くらいから出てきてはいるのですが、2016年に入ってからドイツ銀行の株価が4割以上も下落してきたことから倒産の可能性が示唆されるようになってきたのです。
なんでも今年の4月には3億ユーロ以上の返済が待ち受けているのですが、その心配に対してドイツ銀行は「我々には10億ユーロの支払い能力がある」と発表したのです。
今回の支払いに対しては大丈夫という意味で発言したのでしょうけども、逆に言えばたった10億ユーロしか余力が無いとも聞こえるわけですよね。
これがキッカケになって預金の引き出しなどが多くなれば取り付け騒ぎに発展する確立も上がるわけです。
そもそも昨年のフォルクスワーゲンの排気ガス不正問題においては、VW社の倒産を免れるためにドイツ政府はドイツ銀行に対して約1兆円の融資をさせたわけですね。
もともと経営悪化が噂されていた上に、不良債権が急増していたにもかかわらずフォルクスワーゲン社への融資の話が入ってきたものですから・・・ますます市場の不安を増すような事態に陥ったわけです。
ドイツ銀行が倒産すると金融危機になるのか?
ドイツ銀行が破綻すると言われている理由は凄まじい量のデリバティブ商品を抱え込んでいるからなんですね。
デリバティブと言えばリーマン・ショックの時に有名になった金融工学を駆使して生み出された金融商品ですが、ゴミみたいな債権も混ぜ合わされていることが金融危機を引き起こしたわけです。
さて、そもそも金融危機が起きるかどうかの前にドイツ銀行が破綻&破産&倒産する可能性ですが・・・かなり高いと考えておいた方が良いでしょう。
その徴候はすでに現れていて、かなり大規模なリストラを初めているのですね。実はこれって簡単には潰せない巨大金融機関の末期的な行動なのですよ。
しかもドイツ銀行は多くの訴訟も抱え込んでいて、巨額の和解金や賠償金の支払いをしてきましたし、今後も支払っていかなければなりません。
さらに二人のCEOが辞任しましたし、格付けもかなり下げらたりもしています。
まー、いろいろありますが・・・やはりデリバティブが一番の癌なんですよね。そもそもドイツ自体のGDPが4兆ドルしかないのにドイツ銀行が持っているデリバティブ商品は75兆円分です。無謀すぎです。
そして肝心な事は、ドイツ銀行が破綻しても誰も助けることができないという事を忘れてはいけません。助けられないということは金融危機が発生しても誰も止められないということに等しいわけです。
そういう意味においては、今回のドイツ銀行倒産がキッカケでリーマン・ショック以上の金融危機や世界恐慌が訪れることは確実視されているのです。
ドイツ銀行ショック!破綻で世界恐慌まとめ
今回は「ドイツ銀行破綻危機はリーマン・ショック以上!利払い不能で金融危機の可能性が!」という内容でしたが・・・・リーマン・ショックの時にはアメリカは約80兆円もの資金を放出して世界恐慌を食い止めましたよね。
しかし難民問題で揺れている今のドイツ政府がこれほどの資金を出せるものでしょうか?フォルクスワーゲンの時にも問題がおきたくらいですからね。
それにしても、2008年の時の経済危機の名前は「リーマン・ショック」になりましたよね。2016年の経済危機の名前は何になるのでしょうか?早く決めてほしいものですよ。
中国もダメ、ギリシャもドイツもダメ、日本の日経平均も大暴落・・・残る楽園はアメリカくらいなのでしょうか?
どちらにしてもヨーロッパ危機くらいで収まってもらいたいものですよね。
あっ、興味ある人はCOCO債などを調べてみると良いでしょう。