以前にこのブログではVW(フォルクスワーゲン)のクリーンディーゼルエンジンが、アメリカの排気ガス規制を不正なプログラムを使用して逃れていたことを記事にいたしましたが・・・驚くべきことにドイツのメルセデスベンツもアメリカで販売していたディーゼルエンジン車が規制をクリアするために不正な装置搭載していたことが発覚したのです。
2016年2月現在ではベンツを相手取って集団訴訟が起こされているのですが、基準値を大きく超えるNOxを排出していたことから基本的にはフォルクスワーゲンと同じような制裁金や損害賠償が請求されるものと予想されています。
ベンツのクリーンディーゼルと言えば「ブルーテック」技術が搭載されていて信頼を集めていたのですが、でぃーぜるエンジンを載せる14の車種において規制を逃れるための不正な技術や装置が乗せられていたとのこと。
それにしても・・・フォルクスワーゲンの時はドイツ政府がドイツ銀行に金を出させて救いましたけども、ドイツ銀行も倒産寸前に追い込まれていますのでドイツ政府はベンツを助けることはできないかもしれないですね。メルセデスベンツ倒産の可能性も出てくるかもしれませんね。
ベンツの排ガス規制逃れの不正の内容
VW(フォルクスワーゲン)の時は排ガス基準を守るために、アメリカの排気ガステストの時だけ不正なプログラムに切り替わるようになっていましたよね。
今回のメルセデスベンツの不正も同じようにプログラムに細工が施されていたのですが、VWとは違ってテストの時だけ感知してプログラムが切り替わるのではなくて、気温が10度以下になると窒素酸化物を減らす装置の働きが止まるようにしてあったのです。
このインチキエンジンによって窒素酸化物の排出量はアメリカの排ガス規制基準の20倍近くにもなっていたそうです。(最大時には基準値の60倍以上も汚染物質を排出していた。)
ここで重要になるのがヂィーゼルエンジンの特性で、エンジン内では高温状態と高圧状態を利用して燃料を燃やすわけですから低温状態の時には燃焼が理想的に行われないわけです。
また、排気ガスを浄化する触媒も劣化せずに能力を発揮するためには適正な温度の範囲内で使用しなければならないのです。
そういう意味では今回のベンツの排ガス不正は、気温が10度以下の状態ではクリーンディーゼル技術であるブルーテックがまともに働かないことを誤魔化すためにプログラムが行われたことがわかりますね。
ベンツ以外、アウディのディーゼルは大丈夫か?
フォルクスワーゲン、メルセデスベンツがアメリカ国内で排気ガスの不正を行っていたとなると・・・次の疑惑はアウディに向けられてしまいますよね。
多分ですがアウディのヂィーゼルエンジンもヤバイのではないでしょうかね?
日本のマツダなどの場合はアメリカの基準を満たすことができないのでスカイアクティブのクリーンディーゼルエンジンは米国に投入していなかったわけですね。
最先端のマツダスカイアクティブでさえそうなのですから、技術的に信頼を失っているドイツ勢であるアウディがまともなディーゼルエンジンを作れるとは到底思えないのです。
おそらくは、ベンツの制裁金や賠償金の金額が決まったころにアウディの不正が発表されるのではないでしょうか?
VWとベンツの不正でドイツ銀行が破綻!
冒頭でも述べましたがフォルクスワーゲンが制裁金で倒産しそうな時にドイツ銀行にリスクを肩代わりさせることでVWの破綻を逃れることにしましたよね。
今回のベンツの場合も同様の手法をドイツ政府はとりたいと考えていると思いますが・・・それは不可能なのです。
ドイツ銀行の株価は今年に入ってから大暴落していて破綻の噂が流れているのですが、ベンツを助けるための金などどこにも残ってはいないのです。
もしベンツに過大な制裁金が課されることになれば、下手をしたらメルセデスベンツが倒産する可能性も出てくると思うのです。しかしドイツ国内にはベンツを救える集団はもう無いのですね。
そもそもドイツの経済は優等生だと言われていましたけども、全てのリスクをドイツ銀行に集中することによって政府がまともに見えていただけなのです。
日本の場合は全くの逆で、日本は借金だらけと言われていますが・・・それは多くの企業や銀行の借金のほとんどを日本政府が引き受けてきたからなのですね。
たったそれだけの違いなのです。
どちらにしても、フォルクスワーゲンに続いてメルセデスベンツやアウディまでも救済となるとドイツ銀行の破綻やドイツ政府の破綻に繋がる可能性が出てくることになるでしょう。
ベンツのディーゼルは排ガス規制で不正まとめ
今回は「ベンツのクリーンディーゼルで排ガス不正!意図的な排気ガス規制逃れで巨額賠償金?」という内容で書きましたが、VWやベンツの経営が危なくなるのは制裁金やリコール費用の負担だけが原因ではないのです。
アメリカの基準が満たせていないということは、今後は米国でクリーンディーゼルを売ることができなくなってしまうのですね。
また、VWとベンツのクリーンディーゼルエンジン技術の信頼性は大きく落ちてしまったので全世界でも売上は大きく落ち込むことになるでしょう。
そういう意味で、フォルクスワーゲンとメルセデスベンツには今後も倒産とか破綻の噂が流れ続けることになると思われます。
さらに、ドイツの自動車に対するブランド力が大きく低下することから・・・もしかしたらドイツ経済そのものが破綻する可能性すら出てきたのです。
ヨーロッパを崩壊させたければ、今後はドイツ車の不買運動を起こすのが確実だと思いますね。そうなればEU圏までもが崩壊するかもしれませんよ!